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映画『ノーカントリー』

No_countryこの前『ノーカントリー』を観ましたよ。

movie映画を観た直後の感想

「コーエン兄弟はやっぱりすごい」

1980年代のテキサスを舞台に、麻薬密売に絡んだ大金を持ち去った男ルウェイン・モス(ジョシュ・ブローリン)。金を取り戻す為に雇われた殺し屋アントン・シガー(ハビエル・バルデム)。死体の山を発見して捜索を始めるエド・トム・ベル保安官(トミー・リー・ジョーンズ)。主に、この3人の追跡劇の行方を描いた作品。

語りべとなっている事件を追うトミー・リー・ジョーンズと実際に起きている異常な事件は、同じ時間軸にあるにも関わらず決して交わることはなく、それがかえって事件の現実性と客観性を生んでいるような気がします。

そして、何より殺し屋役のハビエル・バルデムがすごい。
どの角度から見てもこわい。
顔が出なくても、指の一本一本だけでも怖い。
彼が、2004年にアカデミー賞外国語映画賞を受賞した『海を飛ぶ夢』の主役であったことをパンフレットを見て初めて知りました。まさか、あの人が。。。
でも、あの演技に納得でした。『海を飛ぶ夢』での演技も唯一無二です。
そのハビエル・バルデムが春から新しくはじまったNHKのスペイン語講座の映画紹介でインタビューに答えていました。
彼は映画の舞台となったテキサスについてこんなことを言っています。
「とてもきれいなところでした。何もなく、乾いていて。
不思議なことに、広大な砂漠の中にいると、とても不思議ですが閉所恐怖症の気分になる。
生きる強さを試されているような、そんな土地です。
風景から暴力性を感じ、人間の獣性を感じる土地でした。」
そう、語る彼は、髪も短く切り、すっきりとしたハンサムな姿でした。かっこよかった・・・。lovely

そして、作品の中では、いくつか何かを象徴している台詞のやり取りがあります。
それらは、おそらく最後のトミー・リー・ジョーンズの言葉へと繋がっているのだろうと思います。
しかし、ラストをどう捉えるか、どう感じるか、まだ答えが出て来てません。
その為に、もう一度観ることになるかもしれません。

コーエン兄弟の映画は暴力的なシーンが多いものもあり、そのため嫌煙してしまう人も多いと思います。
しかし、その暴力には社会の歪みや人間の愚かさ滑稽さなどが投影されていて、
その暴力を使っているのは紛れもなく人間である、ということを私たちにしっかりと伝えてくれます。

それでも過剰な暴力シーンはなくてもそういうことを表現できると言う人がいるかもしれません。
でも、私は決して過剰ではないと感じています。

実際に、無差別的な無意味な殺傷事件が現実に起きている中、
映画を通して客観的にその暴力の非情さを“見る”ことには、何か意味があるのではないかと。

正直に言えば現実に起きる事件については、当事者でなければ大抵はすぐに忘れてしまうものです。
しかし、映画は監督が描きたいと思ったものを、観る側は一所懸命汲み取ろうとするから忘れない。

少なくとも私は忘れない。

人間の傲慢な自分中心の考え、
理由など何もいらない無意味な殺人、
突然襲いかかる不幸、

どれも人間が起こすものであっても誰にも制することが出来ないし、
何か変えることなんて誰にも出来ない。

「そんな考えこそ傲慢である」と映画でも終盤に言っています。

こうした様々な感情や現実的な問題を自分自身がどう感じ、どう捉えるか…
その作業をする価値がある作品を作り出すのがコーエン兄弟なのだと思います。

私は、そういうことに向き合える強さを自分に持っていたい。

とは、言っても、、、sweat02
さすがに映画を観た夜は、どうやら悪夢にうなされたようです。
朝起きた時に、ひどく胃のあたりに重みを感じ、体がひどく硬直していることに気がついたのでした。。。

これから観る人は、それくらいの覚悟は持って観ましょう。

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