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西への旅・瀬戸田〜広島

Setoda2いよいよ旅も終盤です。
3日目は尾道から船に乗り瀬戸内海の島・生口島へ。瀬戸内海はたくさんの島が点在しているので気軽に船で巡ることも、しまなみ海道により自転車でも渡ることが出来ます。短期間でも色々な土地へ行けるのも瀬戸内海の楽しみのひとつです。
生口島は日本画家・平山郁夫の生まれた場所で、ここには彼の美術館もあります。美術展というと東京では、人・ひと・ヒト…ばかりなのであまり行きたくないのですが、地方の美術館は広大な敷地の中に贅沢な空間を持って創られたところが多いのでゆったりのんびりと観ることができるので嬉しいです。平山郁夫の作品は全国各地へ巡回しているものも多いのですが、今回は、奈良・薬師寺に飾られている玄奘三蔵求法の旅をたどる「大唐西域壁画」の下絵が展示されているというので改めて訪れました。奈良・薬師寺のこの壁画は一度見に行きたいと思っているのですがなかなか機会が作れずにいます。およそ20年かけて彼がスケッチしてきたものが土台となり完成された作品は、その下絵を観るだけでもスケールを大きさを感じました。ん〜やはり一度本物を観てみたいですね。

Setoda1美術館を出た後は、島内をサイクリングです。海沿いにサイクリングロードが整備されているので、初めは自転車に不慣れな母もすぐにスイスイ走れました。海が本当にキレイで気持ちがいいです。途中、以前来た時もあった廃校になった小学校の校舎を見学しました。昔の木造の校舎は既に荒れ果ててはいますが、曇った窓からじっくりと覗くと木製の廊下や階段の手すりなどが見えます。役目を終え今はひっそりとただそこに在るだけですが、かつてはこどもたちの笑い声であふれ賑やかな日常がここにもあったのでしょうね。昔買った『近代建築再見』という本を思い出しました。これは日本の明治期から戦前までの57の近代洋風建築が紹介され、日本の和から洋へと移り変わっていった時代の貴重な建物がその土地の紹介とともに載っています。そのいくつかの建物は既に壊されているとのことでしたが、建物も日本の文化を担っているということが伝わってくるとても貴重な本です。

Hiroshimaさてさて、いよいよ最終日。
広島市内へ。やはり3度目となる原爆ドームと平和記念資料館へ向かいました。ここへ来るのはいつも夏なのですが、原爆が投下された日もこんなにも真夏の太陽が照りつけていたのかと思うとその日のことを強く感じてしまいます。被爆後、このドームは戦争の傷跡として辛い記憶を思い出させるだけだからということで取り壊しも検討されたそうですが、本当に保存してくれて良かったと心から思います。もし、これがなかったら戦争を知らない私たちは本当にそのことを忘れてしまっただろうし、ここへ来ることでその戦争が事実であったことがリアルに感じられます。ここでも、建物が持つメッセージを感じずにはいられませんでした。

最近、テレビで広島の原爆以前の町並みがCGで再現されその様子を知ることが出来ましたが、もしその町並みが残っていたら私はきっと訪れたい日本の町並みのひとつになっていただろうなあって思いました。旅館や商店が立ち並びとても活気があり、この町が一瞬にして吹き飛ばされたことを思うと本当に哀しくなります。

人々と建物とともにひとつの町並みがあり、いくつもの時代を経て残ってきた町並みはそれだけで文化なのだと改めて思いました。私はそうした町を旅するのが好きなのですが、それは古い寺社を訪れるのと同じような気持ちかもしれません。私の知らない昔の人が同じ様にここに立っていたことが、今自分がここに立っていることに繋がっている様なそんな気持ちがします。そう言えば、私の実家の家の前の細い道も既に明治時代からあったと古地図で知りました。それってなんかすごいなあって単純に思ってしまいました。
まあ、なんてことはないのですが、そこに思いを馳せるということが私にとっては大事なのかもしれません。

とうとう今回の旅は終わってしまいました。
何度来てもいつも色々感じてしまう西への旅。久しぶりの母との旅。
旅はやっぱりいいですね。
たまには、日常を離れることも大切ですよ。本当に…。

西への旅・終わり。

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